アフリカへの勝手な偏見を壊す
『絵はがきにされた少年』(藤原章生)という本を読んだ。
めっちゃむねがいっぱい。
私が途上国で感じた、外からの偏見やイメージへの違和感を、じわじわ言語化していた。
メディアがつくった偏見、貧困を外から見る偏見、幸せへの偏見、孤独への偏見、民族対立への偏見、援助の偏見。
世界は偏見によってつくられている。
忘れたくなかったので、メモ。
・あるカメラマンの死
「ハゲワシと少女」
「母親がそばにいて、ポンと地面にちょっと子供を置いたんだ。そのとき、たまたま、神様がケビンに微笑んだんだ。撮ってたら、その子の後ろにハゲワシがすーっと降りてきたんだ。あいつの目の前に。」
・絵はがきにされた少年
「やっかいなのは、はっきりと言い切れないことに、意味づけを求める人が結構いることだ。自分で納得できないことは胸の奥につかえる。ならいっそのこと、こうゆう意味だと勝手な解釈を加えて、使えたものを流してしまう。その方が楽だ。だが、私は分からないことは胸につかえたままでいいではないか、と思う方だ。現実を現実として放っておく方だ。答えなどないにしても、いずれはそこに一歩近づくときが来る、と思うからだ。」
・老鉱夫の勲章
「働く、仕事を持てることが、こんなにも幸せなことだったのかと、わかったんです。そうです。我々は幸せだったんです。奴隷なんかじゃありません。」
・お前は自分のことしか考えていない
「助けるということは無償のようでいて、実は助けられる側に案になんらかの見返りを求めている。援助には目には見えない依存関係が隠れている。」
「漠然と無数の人々への援助を考えるよりも、救うべき相手をまず知ることから始めなければならない。」
・ガブリエル老の孤独
「ツチとフツの違い?そりゃ、神様だけが知ってる謎ですよ」
「例えば、いつも角を突き合わせている牛が二頭いるとするでしょ。その牛たちに、お前たち、なんでケンカしているんだ。そう聞くようなものですよ」
「殺し合い。それは風のようにやってくる。雪のようには来ない。」
また読みたい。