旅をする知

ソーシャルワーカーとして、旅をするように学ぶ。それは形を変えても生き続ける。

女子少年院を見学&授業体験


矯正教育や生活指導について最近考えていたのでちょうど良かった!

今回行った女子少年院の入所は半年から一年と短く、軽度の犯罪の子が多い。
なので、殺人や覚醒剤よりも、窃盗罪が多い。
施設はめちゃくちゃ綺麗で、大きな社会福福祉法人の明るい雰囲気の児童養護施設みたいな感じだった。

地域もかなり巻き込み、食事は地域の方が手作り(大きい少年院はレトルトが多い)、夏祭りでは浴衣を着付けにきてくれたり、キャリアカウンセリングやお茶たては外部講師にきてもらったり。
社会貢献活動として近所の福祉施設で清掃したり。

さらに、様々な資格取得のサポートがあったり。退所までに普通でも4〜5つの資格を取ることができる。

教育の充実もあり、生活指導、SSTなどの対人関係、毎日体育(温水プールもある)など。
寝る前には毎日マインドフルネスの時間もある。
担任教官との交換日記では、口頭では伝えにくい本当の気持ちを、信頼関係を築きながら書くこともできるようになったり。
後、箱庭(心理療法)がすごく充実していた!少年たちはその時間がとっても好きみたい。

そうやって考えると、やっぱり、学校にも家庭にも馴染めない、少年院にギリギリ来ないような子たちのへの手厚さのギャップが、あまりに大きすぎることが気になる。
SSWとして、先日は、犯罪までには至らなかったものの、問題を起こした子の対応に学校からアドバイスを求められた。その時、学校は、いかに問題を大きくせず被害者をケアするか守るかの視点が多く、なんだかモヤモヤした。
逆に個人的には、加害者がいかに今まで満たされなかったものを今後満たしていくか、自己理解や他者理解、適切な注目の引き方やヘルプの出し方などのソーシャルスキルをどこで誰が提供すべきかなどばかり考えてしまったのだけど…。
そのような事件や問題行動としてのサインがあるなら、予防からできることはたくさんあるし、そこをもっと手厚せねば。

体験授業で受けたアサーショントレーニング(自分らしく生きるために、自分も相手も大切にした自己表現方法)は、普通の小中学校の生活指導でももっと普及できたら、子どもたち幸せだろうなあ。
ただ叱ってその行動をさせないだけじゃ、問題の解決にはいたらない。

最近は、少子化もあり、少年院への入所者は少ない。
それを聞いて、良いことなんだけと、ちょっともったいないと思ってしまった自分もいる。
自分の勝手な妄想、
法律の違いで無理だとは思うけど、
児相や児童養護施設との連携とかもっとして、一時保護所などがいっぱいの時とか手厚さが必要な子、
または家庭の養育力がなく、感情コントロールが難しく他害の多すぎる子や、入院の必要な睡眠障害の子も、仮入所みたいなことができたらおもしろいなあと思った。病院よりはのびのびできるし教育など手厚さの面で。

今後は、いつか医療少年院にも少し関われることができたらなあと思った。
大学時代に更生保護のボランティアで、少年院からの仮退院かなんかで出会った子はとても優しい子でかなりの知的な遅れを感じたことがずっと心に残っていた。
でも、今は、ひたすらSWとして予防できる環境にいることに感謝。